実家の火災、未登記、名義預金… 重なる不安を紐解き、二次相続まで見据えた安心の遺産分割へ
2026年05月20日
ご状況
- ご相談者さま: 50代男性(長男・自営業)被相続人:お父さま
- 主な財産:ご自宅(土地・建物)、預貯金、生命保険
ご相談内容
お父さまが亡くなられ、相続手続きを行わなければならないものの、ご家族の間にはいくつもの複雑な事情があり、どこから手をつければよいのか分からず深く悩まれていました。
数年前に実家が火災で全焼し、その後再建したものの、建物の一部が未登記のままになっていたのです。さらに、過去に仕事の独立資金としてお父さまから受けた資金の金銭消費貸借契約書もその火災で消失してしまっており、「税務調査が入って多額のペナルティを科されるのではないか」「未登記のままでこれまでの固定資産税はどうなるのか」と、インターネットで調べるほどに不安が膨らんでいく状態でした。
また、お母さまの口座へ移されていた家族名義の預金の扱いについても、自分たちだけで判断するのは不可能だと感じ、期限が迫る中で焦りを抱えながら当相談室にお見えになりました。
サポート内容・結果
まずは、深刻に思い詰めていらっしゃったご相談者さまのお話をじっくりと伺い、一つひとつ不安を解きほぐしていきました。
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- ・名義預金の精査
お母さまの口座に移動していた約800万円の資金について、お母さまご自身に独自の収入源がなかったことから、税務上は「名義預金(名義はお母さまでも、実質的にお父さまの財産とみなされるもの)」として申告対象に含めるべきと判断しました。これを隠さず正しく申告に含めることが、結果として将来の税務調査リスクを最も下げる選択となります。 - ・過去の資金移動と未登記物件へのアドバイス
20年以上前の独立資金については、税務署の通常の調査対象期間(過去10年分)を大きく超えているため、過度に恐れる必要はない旨を専門知識に基づいてお伝えし、まずはホッとしていただきました。未登記の建物についても、現状維持とした場合のメリット・デメリットを司法書士等の専門家と連携しながら丁寧にご説明しました。
- ・名義預金の精査
- ・二次相続(将来の相続)を見据えたシミュレーション
今回の遺産総額は約6,000万円で、基礎控除(税金がかからない枠)を引くと本来は数十万円の税金が発生する計算でした。しかし、「配偶者の税額軽減(お母さまが財産を相続する場合、一定額まで無税になる制度)」を活用すれば、今回は税金をゼロに抑えることが可能です。
ただし、今回は無税になっても、将来お母さまが亡くなった時(二次相続)に今度はお子さまたちに重い税負担がのしかかる可能性があります。そのため、お母さまが現在お持ちの固有財産や生命保険の状況も合わせて確認し、今回だけでなく「次の相続までトータルで一番損をしない分割案」をご提案しました。
解決とその後の変化(お客さまの声)
複雑に絡み合っていた問題が一つひとつ紐解かれたことで、ご相談者さまは「霧が晴れたようにスッキリした。これなら家族で安心して進められる」と、笑顔を見せてくださいました。何より大きな変化は、「税務調査が入るかもしれない」「未登記のペナルティがあるのでは」と、ご相談者さまが抱えていた漠然とした恐怖心から解放されたことです。
今回、当相談室からは、税務署への説明資料となる『税理士法第33条の2の書面』を申告書に添付するプランをご案内しました。この書面があることで、万が一税務署から問い合わせがあった場合も、税理士が直接窓口となって対応を代行できるため、「自分たちが税務署とやり取りしなくていいのは本当に心強い」と大変喜んでいただけました。
懸念されていた着手金や報酬の支払いについても、ご家族の状況に合わせた柔軟なプラン(相続財産が下りてからの精算など)をご提案したことでクリアになり、ご家族全員が納得のいく円満な遺産分割協議に向けて、安心してスタートを切ることができました。
まとめ
相続は、単に「現在の税金を計算する」だけの手続きではありません。過去の家族の歴史(火災や資金移動、未登記など)が背景にあることも多く、ネットの一般的な情報だけでは解決できないケースがほとんどです。
また、目先の税金をゼロにすることだけに囚われると、将来の「二次相続」でご家族がより大きな負担を背負うことになりかねません。当相談室では、敷居を低く、どんな小さなお悩みも丁寧にお聞きする姿勢を大切にしています。
「こんな複雑な事情、話しても大丈夫かな…」と悩まれている方にこそ、ぜひ一度お気軽にご相談いただきたいと思っています。一緒に最適な解決の糸口を見つけましょう。
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